鎮魂花
なるほどと 式のあれこれ 気を支え

おくるひと 想いそれぞれ さまざまに

そばなれど いのちは見えぬ 気も癒えぬ

納得の 言葉を皆で 探しあい

境目の 細い川幅 海に見え

砂山を 崩れぬように 気を添える

紛らせる 気丈な姿 痛々し

かおる菊 手を添えながら 蓋待たす


普段着に 写真の前の 畳ぬれ

鏡台の すみに悲しき くしや紅

形見かな 書いたメモさえ 握りしめ

思い出に 踏み込めるとこ できぬとこ

顔なじみ 繕う糸を 溶かしけり

片付けの 日々にまことの 涙かな

なぐさめと そっとの時間 共におき