風来坊さんからのポエム♪
   「ふたり」



そこはまるで時の止まったような場所
僕は水面を見つめ続ける

古い木に長くとどまった木の葉が
役目を静かに終えて
動かぬ時を刻む沼にその身を落とす

水はそっとその体を受け止める
「お疲れさま」
優しい声が聞こえるよう

底から顔を出すフナの群れ
知らない顔をして
でもその周りを歩むよう

風?
不意に吹いたその力に
誘われるように流れる木の葉
どこへ行くの?

冬の日差しに誘われて生まれたのか
季節外れのちょうちょが
身を木の葉にゆだねる
「一緒にいっていいかしら?」

流れる 流れる
時を越えて流れる
もはや離れる事もなく離す事もなく
陽射しだけが彼等を見つめる