ベランダの夜風 (おとなの詩集 より)
1.ちがうもの
  ひとりで見る時計 ふたりで見る時計

  おなじもの
  涙でうるんだ時間 思い出に固めた時間


2.つなぎとめていた筈の 君という船
  どの波止場だったのか
  いま 思い出せなくて


3.器用な失望
  不器用な夢


4.君にあるもの
  おとなになれないワガママと
  おとなすぎるカワイさ


5.夜よ ありがとう
  夜がなかったら
  僕が こうして自分に戻る時間は
  永遠にこなかったかもしれない
  とにかく 訪れるたびに ホッとするよ
  ありがとう 夜