おとなの詩集 番外編
1. 椅子と 机のあいだの
  なんとも せまくて
  つまらない 空間に
  自由に はばたきたい
  自分の気持ちが
  ぐるぐる 同じところを
  駆け巡っている
  
  ぶ〜ん


2. 不思議な道があった
  冒険心でいっぱいの
  好奇心 最高レベルの
  私は
  その道を避けた
  そして ずうっと
  そのことが
  どこか ひかかっている

3. ごみ袋が
  空中に飛んだ
  誰かが 放り投げたんじゃない
  風で舞い上がったんじゃない
  ごみ袋が自覚したんだ
  この街の空中に
  飛んだのは
  使命感からさ


4. 迷子の案内板
  じっと立ってりゃ
  よかったのに
  ずっと同じところに
  いるのがいやで
  歩き回った案内板
  もう右も左もわからない
  それでも人々は
  それをみて
  うなづいてくれる 


5. あっちにぶつかり
  こっちにぶつかり
  もう 足はあざだらけ
  でも 連絡が入ると
  そのまま行っちゃうんだよね
  女の子は
  うつろなまなざしで
  何もない運命のなかに
  運命をみつけに
  出掛けた


6. 炭酸のギュッと詰まった気持ちで
  君に逢う

  なのに 君の気持ちは
  終日 半額

  ブー!


7. 永遠の 水滴
  蒸発することもなく
  大きな粒になることもなく
  凍ることもなく
  ずっとそのかたちのままで
  水滴のまま
  不思議なんだけど
  永遠なので
  誰も確認も否定もできない