その背景に見えるもの…。
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◎野球へのタイブレーク導入、国際野球連盟会長が会見で明言 (読売新聞)
 国際野球連盟(IBAF)が、延長十一回からのタイブレーク導入を発表した問題で、
 来日中のハービー・シラーIBAF会長が31日、
 東京・内幸町のコミッショナー事務局で記者会見し、北京五輪での導入を明言した。
 日本側も、これ以上は争わない。
 シラー会長は、2012年ロンドン五輪で除外される野球を2016年大会から
 復活させるためには試合時間短縮が必要と強調、
 「国際オリンピック委員会(IOC)から試合時間を長引かせないように要求された。
 北京五輪は球場でIOC委員に、野球を印象づける最後の機会になる」と話した。
 冒頭では「新ルールを発表した翌日の26日に、
 全日本アマチュア野球連盟(松田昌士会長)から北京での適用を取りやめるよう
 要求があった」と認めたが、報道陣とのやりとりでは
 「今回の(文書)は抗議や不満とは受け取っていない。
 もっと連絡を密にして欲しいという連絡だった。
 執行委員会も支持・承認している」
 などと強気の言葉を並べたてた。
 これに対し、同連盟の鈴木義信副会長は「IBAFは本来なら、
 (ルール変更を事前に)技術委員会がしっかりアナウンスすべきだった。
 執行委員個々に話をされたということだが、我々は北京での導入を知らなかった」
 と発言に大きな食い違いが見られた。
 




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 どっちにしたって、
 会長が勝手にルール変更を発表して事後承認を得るなんてことがまかり通るのは、
 普通ではあり得ないことなのではないでしょうか。
 ことの是非はともかく、話し合いがあって、多数決で決まったとかいうのであれば、
 納得する要素はあると思いますけど、こんなメチャクチャなことがあったのに、
 事を穏便に済ませようという方向に収束してしまったのはなぜなのか。
 要するに、野球関係者は、
 オリンピック種目に野球が復活するためなら、
 どんな理不尽があっても致し方ないと考えているということでは
 一致しているということなのでしょう

 それしか考えられないじゃありませんか。
 だから、こんなデタラメな会見になってしまったわけで…。

 しかし、そんなにオリンピックが大事なんですかね。
 おかしな話だと思いますよ、私は。
 今のオリンピックもテレビを意識し過ぎ。
 テレビ放映権は莫大な金額となり、北京五輪で
 IOC(国際オリンピック委員会)が得る収入は実に約25億ドル(約2600億円)。
 それとは別にあるスポンサー収入が9億ドル程度になるといわれます。
 これはIOCが得る収入なんです。
 だから、テレビを見る人が少ないと困るわけです。高く吹っ掛けられませんからね。
 かつてはアマチュアによって成り立っていたIOCの経営は、
 現在、完全にプロの経営者たちによっています。

 前回のアテネ五輪では、2001─2004年の収入が40億ドル以上。
 その53%が放映権収入、34%がスポンサー収入、11%がチケット販売収入…。
 チケット収入はたったの11%に過ぎなかったのです。
 総収入の約92%が各国の国内オリンピック委員会(NOC)等に分配され、
 残り約8%がIOCのものとなることになっています。
 テレビ放映権にいかに依存しているがお分かりだと思います。
 IOCとしては分母が大きくなればなるほどホクホクなわけです。
 なるほど青い柔道着が要求されるわけですよ。
 嘉納治五郎が生きていたとしたら、この現実をなんと思うでしょうね。
 いまやは、五輪競技はテレビで見て面白くなければ
 どんどんルールを曲げられてしまう可能性があるということです。
 視聴率がとれないような競技は情け容赦なく外されていく…。

 こんな理不尽極まりないことがまかりとおるオリンピックは、大問題なんじゃないか。
 ルール変更に激怒したといわれる星野監督も、オリンピックに野球が再び採用されるなら…
 ということで、我慢しているようです。(野球競技の五輪は今回が最後)

 そんなにいいのでしょうか、オリンピックが。
 これほどまで商業主義にどっぷりつかったオリンピックがそんな素晴らしいものなのか。
 甚だ疑問ですね。
 スピード社の水着にしたって、今のところ富める国以外では着用不可能じゃないですか。
 公平性なんが二の次で、競技が面白くなればよしとする背景があるからこそ、
 そんな没義道(もぎどう)が平然と一人歩きするわけで。

 選手個人には、あまり言うことはありませんが、
 オリンピックというものに関しては、随分、冷めた目で見ることになってしまいました。

 
 ◎野球のタイブレーク制は、延長11回以降は無死一、二塁の状況から攻撃を開始するというもの。
 延長戦の長い試合をなくそうというものです。
 しかし、なにが起こるか分からないという野球の醍醐味は薄れてしまうことでしょう。



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