2010 07/22 07:43
Category : 日記
花の命は短くて 苦しきことのみ 多かりき
林芙美子
この杯を受けてくれ
どうぞなみなみ注がしておくれ
花に嵐のたとえもあるぞ
さよならだけが人生だ
于武陵「勘酒(勧酒)」(井伏鱒二訳)
それぞれ、花の命が短いということで連想しました。
井伏鱒二の日本語訳をお気に入りだったのが寺山修司。
彼はことあるごとにこの「さよならだけが人生だ」を引用していました。
しかしかつての私は、いま一つ納得がいきませんでした。
人生に別れはつきものなのだから淡々と生きようではないか…。
そんなふうな意味で引用しているのだろうかと。
寺山修司は、俳句、短歌、詩歌、演劇、さらには競馬評論の世界まで
目まぐるしいほどの活動の後、47歳の若さで亡くなりました。
寺山修司は若き日に病を得、奇跡的に回復したのち多方面に活躍していたのですが、
自らの人生が長くはないことを知っていたのだそうです。
「さよならだけが人生だ」の引用は、彼の覚悟でもあったのでしょう。
だからこそ、この一瞬を大切に生きなければならないのだと。
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