作歌事情
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       ● 住僧は
         老女が 小野小町であることを察し

         「侘びぬれば身を浮草の根と絶えて誘う水あらば住なむとぞ思ふ」

         − の 歌を示す


         すると

         老女は 作歌事情を説明し
         昔を懐かしんで 落涙する


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         老女が 小野小町である と 確信した 住僧は

         「おん身は 小町の果てぞとよ」

         と 言うと


         老女は 自作の歌を引きつつ 身の上を恥じる













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