2006 02/14 02:18
Category : 聴之介
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《 ・・・
十年ほど前(*1969頃)になるか。
唐十郎は、新宿戸山ハイツの草ぼうぼうの荒地で、
「腰巻お仙」の野外芝居をうった。
今や戸山ハイツは高層団地と化し
当時の面影はコンクリートの下にうめたてられ、
当時、お仙の役をしていた女優藤原マキは
今やつげ義春の女房となり、
たかだか十年の月日の移りかわりの大きさに驚かされるが、
その時、とび出しナイフで唐の命をねらっている役者がいた。
その役者は、唐が某児童劇団に属していた時の先生で、
当時、頭皮が三倍くらい固くなる奇病にかかり、
「自分は半年後に死ぬ」と信じていたらしい。
その男の役柄は、土男であり、出番がくるまで、
地面に穴を掘り、地面にもぐっている役であった。
(・・・)その男が芝居が終わってから闇夜のベンチにすわり、
ナイフを持って唐が来るのを待っていた。
かすかな星明りで、ナイフが青く鈍って光っていた。
・・・ 》 ~ 嵐山光三郎
*
こんなエピソードを 思い出しました。
その男が、土の中で待機していることを、
みなが忘れてしまった、という話もあるそうなのですが...
●
螽斯化 :
はたおり虫・ぎっちょんは、一回に九十九の子を産むことから
子孫の繁栄することにたとえる。[太平記]
~ 角川「漢和中辞典」
いま めの前に 虫偏の漢字がいっぱいです
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《 ・・・
十年ほど前(*1969頃)になるか。
唐十郎は、新宿戸山ハイツの草ぼうぼうの荒地で、
「腰巻お仙」の野外芝居をうった。
今や戸山ハイツは高層団地と化し
当時の面影はコンクリートの下にうめたてられ、
当時、お仙の役をしていた女優藤原マキは
今やつげ義春の女房となり、
たかだか十年の月日の移りかわりの大きさに驚かされるが、
その時、とび出しナイフで唐の命をねらっている役者がいた。
その役者は、唐が某児童劇団に属していた時の先生で、
当時、頭皮が三倍くらい固くなる奇病にかかり、
「自分は半年後に死ぬ」と信じていたらしい。
その男の役柄は、土男であり、出番がくるまで、
地面に穴を掘り、地面にもぐっている役であった。
(・・・)その男が芝居が終わってから闇夜のベンチにすわり、
ナイフを持って唐が来るのを待っていた。
かすかな星明りで、ナイフが青く鈍って光っていた。
・・・ 》 ~ 嵐山光三郎
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こんなエピソードを 思い出しました。
その男が、土の中で待機していることを、
みなが忘れてしまった、という話もあるそうなのですが...
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螽斯化 :
はたおり虫・ぎっちょんは、一回に九十九の子を産むことから
子孫の繁栄することにたとえる。[太平記]
~ 角川「漢和中辞典」
いま めの前に 虫偏の漢字がいっぱいです
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