かさね
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  朝鮮王朝時代 官僚たちの衣服は
 『経国大典』や『続大典』によって 厳しく定められていた

  - そうです


  たとえば (時代によって多少の変化があるようですが)


    官服 ;

       正三品以上の堂上官は 紅
       従三品以以下の堂下官は 青

    胸と背の標章(胸背/ヒュンベ) ;

       武官 - 獣(虎など)
       文官 - 鳥(鶴など)

       堂上官の武官 - 「双虎胸背」= 2頭の虎
       堂下官の武官 - 「単虎胸背」= 1頭の虎

       堂上官の文官 - 「双鶴胸背」= 2羽の鶴
       堂下官の文官 - 「双鶴胸背」= 1羽の鶴


  - など など ....


  ⇒ 自習の友 ; 『朝鮮王朝 韓国服飾図録』(臨川書店)



  ちなみに

  NHKドラマガイド「宮廷女官チャングムの誓い」によれば

  「衣裳スタッフチーム」は
  デザイナーが1名 現場での採寸やスタイリング担当が4名
  - ださうですが

  実際 どうだったのか 気になるところです
  


  ●



  ところで 「色の重ね合わせ」といへば

  拙者の脳裏には
  紅葉(山吹+赤蘇芳)など
  「襲」が うかびあがって きます


  といふことで ......



  *



  襲 (かさね) ;

  衣服を重ねて着るときの、衣と衣との配色、
  または、衣の表と裏との配色。

  季節によって色目(いろめ)にきまりがあり、
  紅梅襲、卯の花襲、山吹襲などのようにいう。



  襲の色目 :

  位色(いしき)に関係のない、
  公家男女の下着や私服の地質に、
  季節による配色を考慮して生じた表地と裏地の襲の色と、
  衣服数枚を重ねた場合の袖、襟、裾口などに見られる色合。

  きれ地がかたくなってから形式化し、
  「おめり」と呼んで、
  裏地を表地にのぞかせるのが普通となった。


     ( 襲の色目 :

      女性の五つ衣・単・重ね袿などの、袖・襟・裾の配合。
      男性の直衣・狩衣・下襲などの表地と裏地の配色。
      平安貴族の間で発達。
      一定の組み合わせが考案され、
      季節の変化に応じた着用の決まりや、名称が伝えられている。

      * 日本語大辞典/講談社 )




  【位色】 いしき - 位袍 , いしょく

   位階に相当する色。

   衣服令の規定する朝服の色は、

   一位 深紫、
   二、三位 浅紫、
   四位 深緋、
   五位 浅緋、
   六位 深緑、
   七位 浅緑、
   八位 深縹、
   初位 浅縹。




  【当色】 とうしき (「とうじき」とも。「色」は種類の意)

   1.律令制で、身分や位階に相当した色。
   2.身分や位階に相当した色の服。
     礼服でなく、日常着用する衣服についていう。
   3.同じ身分・階層であること。
     同種に属する人。
     また、その身分・階層。
   4.ひろく同じ種類のもの。また、その種。
   5.その年の生気の方角、
     すなわち吉方(えほう)にそれぞれ配した色


   ~ Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban
     (Revised edition) Shogakukan 1988




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  歌劇「魔笛」 E.シカネーダー/W.A.モーツァルト


    ♪. 序曲


     ( 岩山。
      そこかしこに木があり、両側は高くソソリタッテイル。
      近くに円い寺院。
      タミ-ノが 日本の狩衣を着て 岩の間から登場。
      手に弓を持っているが 矢は無い。
      タミーノの後を追って 大蛇が現れる。)





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