かがくのきゅうしょう
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  【必携】 ひっけい


   1.必ず携えなければならないこと
     また そのもの

     「必携の書」 「身分証明書必携の事」


   2.特に ハンドブックをいうことば



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  【上野彦馬】 うえの‐ひこま

   文久二年日本で初めて写真店を開業
   湿板写真術を研究し
   化学書「舎密局必携」三巻を訳す

   (一八三八~一九〇四)

   俊之丞の子


  【上野俊之丞】 うえの‐としのじょう

   肥前の人 名は常定

   天保一二年 写真機を輸入して
   撮影の実験を行なった

   (一七九一~一八五一)

   日本の写真術研究の祖



  ◆



  【染殿】 そめどの

   Ⅰ 

   1.古く、宮中、貴族の邸内、寺社などにあって、
     糸または布地を染めるために用いた建物。
     また、鎌倉幕府で、そのことを担当した部局。

   2.染物を生業とする人。また、その店。


   Ⅱ 

   (1) 藤原良房の邸宅。

      平安京の正親町小路の南、土御門大路の北、
      京極大路の西、富小路の東、
      今の京都御苑石薬師門の南にあたる場所にあった
      といわれるが異説もある。
      良房の娘明子(文徳天皇女御)が
      晩年ここに住んで染殿の后とよばれ、
      また陽成天皇がここで生まれている。

   (2) 明治六年、京都府によって
      舎密局(せいみきょく)内に開かれた
      産業振興のための施設。
      人造染料による染色の研究および伝習を行った。


   ~ Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban
     (Revised edition) Shogakukan 1988




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  * 舎密〈セイミ〉... オランダ chemie から


   chemie〈セーミ〉 ; 化学の旧称






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