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            最近の研究はむしろ
            人間の乳児が生まれて間もない頃から概に
            知的にかなり有能で
            かつ 環境に対して能動的に働きかけ
            自ら学ぶ存在であることを
            強く印象付けるものになってきているのである

            英語で乳児を表す infant が
            もともとは ものがいえぬ者 という
            ラテン語の infans に由来することは
            よく知られるところである

            この ことばを解し発しない存在から
            いかにして その心の内実を探り出すか ・・・

            言語に多くを依存する過去の研究方法では
            赤ちゃんの潜在的な能力を過小に評価してきた可能性が高い
            ということである

            しかし こうした状況は
            1970年頃から 急速に変わり始める
            もの言えぬ存在に
            間接的に その心の内実を語らせる
            方法論上の工夫が 次から次へと 編み出されてくるのである

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            = 遠藤利彦 : 赤ちゃん観の移り変わり



























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