年末の
電車が終点に着いた。
人々は先を争う様に出口へと向かう。
年末の宴会の名残か頬を赤く染めた人・残業の疲れか視線を下に向けた人。
つり革を掴んでいる手が一つまた一つと離されて行く。
そんな中 車両の奥のつり革に掴っている手が見えたような気がする。
ゆっくり下車する気で居る人かもしれない。
立っていた人の人数は減り座席に座っていた乗客たちも出口へ向かうため席を立つ。
車両の中は大分空間が出来ていたがつり革に掴っている手はまだ離れない。
最終電車ではなかったが夜は大分更けている。
早く帰ろうとは思わないのだろうか?

ドアに向かう人も殆ど居なくなり外からの冷たい風が車内に吹き込んでくる頃になってもつり革を掴んでいる手は離れない。
やがて・・・
車内はその手の持ち主の姿がはっきりと見えるようになった。
スーツ姿の痩せ気味の若い男性であった。
どうしたのか?
不思議に思った私はその男性に近寄り声をかけた。
「どうしました?大丈夫ですか?」
返事は・・・無い
微動だにもせずつり革に掴ってピンと立っているが目は閉じている。
「お客様?」
私は再度声をかけた。

ビクリ
身体が動いて男性は目を開いた。
あっ!・・・あぁ
男性は小さく声を上げて辺りを見回した。
「終点ですが」
私が言うと男性はようやく状況を把握したように少々虚ろな眼差しで私を見返してのろのろと出口のドアへと向かった。

どうやら忘年会か何かの宴会で飲みすぎていたらしい
眠っていたのだと言う。

これからの時期は飲みすぎる人が多くなる。
それにしても・・・直立不動でよくもまぁ熟睡できるものだと感心したり呆れたり・・・

これ我が家のプリンスから聞いた話でやんす。
クリスマス・忘年会
お酒を飲むことが増えますです
くれぐれも飲みすぎにご用心でやんすな
冬の怪談でなくて本当に良かったなぁっと思うペンでやんす

編集 ペン : とのさん。良くぞ思い出してくれました。嬉しいです。体調には気をつけてくださいね
編集 との : ペンさんお久しぶりです。^。^;ご無沙汰していました。色々忙しい時期息抜きも大事ですが、程々がいいですね。
編集 ペン : 手首だけしかなかったとか・・・怖いやろねぇ。歴史のある街を走っている電車でやんすから紛れ込んでも不思議は無いと思いますです^^
編集 boonyan : 妖怪とか浮遊霊とかツルンペタンのムジナを期待したのだけど、ただの立ち寝で残念だわん
編集 ペン : 面白かったやろ?本当に有ったちょいと怖い話。プリンスも少しビビッたそうでやんす
編集 ポロン : 途中からこれは現実世界?なんて 不思議空間に入り込んだわ^^ ほっと安心 終電あるある ポロンも立ち寝あるある〜(笑)