2010年10月の記事


遠く支え合うもの (2)
星のごと 小さきその手をつなぎつつ

息を潜めて 風信子 薫る (十六夜)




 姉とわたしは 必要な事柄を話し

 そして 別れていった。

 お互いの電話番号を教えあうこともなく。。
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貴女にしあわせを。。
わたしは

こころの底から そう思っているのです。

きっと 貴女は しっかりと 大切なひとに

守られているのでしょう。

そして そのことも 貴女が

わたしの知り得ぬところで 積み重ねてきた

たくさんの 見えない努力の賜物なのでしょう。


喋りに夢中になっている わたしの 紅茶ポットに手を伸ばし

姉は 「出過ぎちゃうから」と 

カップへと 注いでくれた。
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光る指輪
銀座コージーコーナーの 白い四角い椅子に

姉とわたしは 腰掛けて メニューを開いた。

姉の左指には 結婚指輪と重ね付けした 誕生石の

赤いルビーが光る。

ふと わたしは 自分の指を飾るとすぐに とあるところへと

流されていった 数々の宝石を思う。

姉がたくさんの買い物袋といっしょに持つ 小振りのバッグは

わたしもほしかった 仏製のものだ。
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『平成十六夜日記』
一周忌 姉と分け合う 君子蘭 (十六夜)



 父の亡くなった11月5日が近づいてきました。

 母も大事に手入れをしていた君子蘭は 

 ことしの春 立派に花を咲かせてくれました。

 慣れない手つきで 植え替えをした鉢も いまはもう

 小さいくらいで、 よく見れば 株はふたつ、

 本格的な霜がおりないうちに 株分けをしようと

 思っていました。


 不思議なもので ふと 思いついた上の句を書いた紙を

 机の上にしばらく置いておきましたら。。

 きのう 偶然 姉に出会いました。

 日傘を掲げ、地味ながら総レースのカーディガンを

 羽織った姉は ことし2月に家裁で会ってから以来で

 互いに 「会って話をしなければ」と 思いつつ

 様々な思いが交差して 同じ市内に住まいながら

 会うことができなかった 姉妹です。

 日傘の下から わたしを見つめながら 姉は 驚きつつも

 すこし覚悟を決めた表情で、

 「・・会わせてくれるものね。 お茶でも 飲む?」と。
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今日の一句
山鳩の鳴く 古里を

離るる日 近づきて 秋深し



                  十六夜
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心地よい緊張感
最初 思ったより手の掛かる作業に思えた「調査票の配布」も

無事 担当世帯へ すべて配り終わり、

お陰様で 回収も順調に進んでいます。

わたしの場合も 区域がご近所なので 

早々と自宅のポストへと 届けてくださるひともあり。。(笑

比較的 楽しんでいまのところは 出来ています。

ちょうど 住宅の脇に 小川が流れており、その端から端まで

金木犀が植えられているのです。

配り始めたのは 9月下旬、あいにくの雨で 肌寒い日も

ありました。 けれど 雨上がりに まだ青い蕾から 

微かに香りたつ 金木犀の花の香に 気持ちを 奮い立たせ

笑顔をたやさないよう 一軒 一軒 お届けにあがりました。

なにか とても新鮮な気分でした。

いまは もう 金木犀の香りは 甘く強く むせるほどで。(微笑

いい季節ですね。 にこやかに 調査票を手渡ししてくださる

方に 「さっそくご協力 ありがとうございます!」と

お礼を言いながら、 緩やかな坂を 上って帰ります。
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