お粥の話
父が入院し、見舞いに毎日のように バスと電車で
通う日々が始まりました。
ことしの3月末からのお話です。
あるとき、バス停でバスを待っていると、昔から
家に買い物によくきていた わたしよりすこし年上の
ご婦人と一緒になりました。
手には たくさんの着替えなどをいれた大きなバッグを
持っていました。
(わたしはそのとき、まだ 父の入院の話をしてはいませんでした)
わたしが会釈すると ご婦人も親しげに 今 入院されている
ご主人の話をいろいろし始めました。
ご婦人のなかで わたしがちょっと 「面白いな」と
感じたことを そのまま書いてみます。
彼女いわく、 「今日は ケースワーカーのひとと
待ち合わせしてるの。いつもいろいろ 相談に乗ってくれて」
わたし「そうですか」
彼女「でね。今日は 電動のベッドを買うのよ。」
「そうそう 主人は最近 前より食事にうるさくなって。。
で この間 お粥をつくるお釜を買ったのね。」
わたし「ええ」
彼女「安いのよ。1万円しないのよ。」
と。。
彼女は いろいろ 便利グッズのお話をされました。
「どこそこで、売っている。と ケースワーカーさんが
教えてくれたのよ。」
えーと。 彼女の「買い物」に 水をさすわけではありません。
ですが、バスに乗り込み 彼女からはすこしはなれた
いつもわたしが座るシートに 腰をおろしてから
わたしは こころのなかで 考えていました。
「お粥。。
 いま手持ちの電気釜で焚けないんだろうか。。」