MistyRose
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         砂時計



         頭蓋骨



         ・・・





         空 .. くう














         *














         17世紀 オランダ









         vanitas

         バニタス









         空を表す 絵画




















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         窓の色が 妙だ


         明るく 照っている 西側

         東方向は 暗い


         窓を開ける


         風のうねり

         木々の 痙攣



         ◆





           トタンがセンベイ食べて

           春の日の夕暮れは穏やかです


               - 春の日の夕暮れ / 中原中也




         ◆




         合成樹脂の 波を打った

         自転車置き場の 覆いが 踊っている



         *



         見せかけの

         モノ コト に よって

         覆い隠されている モノ コト



         恣意性を 隠蔽する


         特定の ヌァニを 押し付ける



         *



              昭和卅年四月廿五日初版印刷

              昭和卅年四月卅日初版發行


              三百五拾部特制限定版 第六四冊

                   〈内二百部ノミ配布〉




         「陳述」 神保光太郎詩集


              - を 手に取る



         =




         シミ

         糊の跡



         ・・・


         紙製の ケースが

         センベイを

         食べた












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         ●









         一日のおわりに






         *






         高橋悠治 :

         ♪. Insomnia  (眠れない夜) 

            - バイオリンと声と空篌のための版 -


         ... by G・クレーメル & 吉野直子






         - を 聴く















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    煌煌と照らされた

    街



    人びと

    みせ

    ビジュアル

    オーディオ

    プロダクト



    輻輳する 電波



    tube it  地下鉄に乗る





    *





    金属

    ゴム

    ガラス


    ・・・


    ブラウン管

    熱電子管

    真空管





    ... tube 





      《 ・・・


        人間の成長

        成熟


        世代を新たにするにつれ

        促進されていく

        発達の速度


        身体

        性



        成熟



        ・・・ 》





    発達加速現象


    都市化外傷説





    トンネル






    ●






    加速















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      書物


      とじ目の 余白






      それぞのページの

      背に近い

      ブブン









      新聞の

      ページ境の


      余白














      :














      喉


      咽


      吭














      :














      《 観客様はみな鰯

          咽喉が鳴ります牡蠣殻と

        ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん 》









      中原中也詩集



      「サーカス」のページの


      のんど に

      瞼を 閉じる




















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      絶え絶えに

      野中を

      流れている

      水






      人知れず

      流れている

      水






      わすれみず









      *









      潮汐




      岩のくぼみ


      ...


      わすれじお









      ◇









      魚


      背鰭の中ほどの 所




      忘


      わすれ

      - と いう




















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      雪泥の鴻爪 :



      雪どけの ぬかるみの上を

      鴻が 歩いた 爪あと



      =



      あとかたが残らない



      *



      人の行い 世間の出来事などが

      消えてしまって

      あとから たずねにくい





      ■





      雪泥 ; せつでい

      鴻爪 ; こうそう



      鴻 ; ひしくい


















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