おはなし
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     《 ある雪原で 旅人が道に迷ってしまった
       日が暮れかけており
       彼はどうしようかと 思っていたら
       遠くに明かりが見える
       彼は雪原をまっしぐらに 馬を走らせ
       その明かりのところにたどり着く
       そこは民家であった
       旅人は家の戸をノックする
       すると主人がでてきたので
       一晩泊めてくれるようお願いした
       主人は「了解しました」といいつつも
       けげんな顔をして次のようにいった

       「でも、湖はどうされたのですか?」
       「湖ですって?
        そんなものは どこにもありませんでしたよ」
       「あなたが今
        馬に乗って来られた雪原は
        じつは 大きな湖で
        その上を 薄い氷がはっているだけなのです
        それにしても
        そこを馬で走ってきて よく無事でしたね」

       この話を聞くと 旅人は わなわなと震えだし
       そのショックで 死んでしまったのであった    》





       = Koffka による


         * 「人間の成長と生涯学習
           − 生涯学習の生物的側面−」 堀 薫夫 より
























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