べんけいの なきところ
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     東京 東銀座

     晴海通り と 新大橋通り とが 交わる

     歌舞伎座近くの交差点


     信号が かわるのを待つ



     □
     ■




     「船弁慶」 くぁ〜 ...


     たしくぁ 新歌舞伎十八番


     河竹黙阿弥・作 三世杵屋正次郎・作曲

     初世花柳寿輔・振付

     明治一八年 東京新富座初演


     ではぬぁくぁつた くぁぬぁっ ...


     さうじゃ

     ちょいと 奥村書店に よつていこう


     *


     ふむ ぬぁるほどぉ ・・・



     ん?


     おお

     岩波講座 『能・狂言』 全7巻+別巻1

     が

     すべて 揃うている ではないくぁいぬぁっ


     うれしいわいぬぁ〜


     *



     《 兄 頼朝との不和


       義経は

       武蔵坊弁慶 以下 従者を連れて

       都落ちをする


       摂津国 大物浦に 着いたとき

       義経は 弁慶の進言を受け入れて

       愛する 静御前を

       都に帰すことにした


       名残の舞い を 舞い

       泣く泣く別れを告げる 静....


       かくして 義経一向は

       西国へと 船出するのであつた


       ところが しばらくすると

       天候が急変し

       海上に 平家一門の亡霊が現れた


       次々と浮かび上がる 亡霊たち

       義経に襲いかかる 平知盛...


       激しい戦いの はじまり


       ・・・


       やがて 潮時


       弁慶の 渾身の祈りに伏して

       亡霊たちは

       う〜せ〜にぃ け〜りぃ〜    ....   》


          ◇ 船弁慶 / 観世小次郎信光作


          = ref. 岩波講座『能・狂言』?Y




     ■




     う〜む ・・・



     別れの悲しみ

     静 の 舞い


     厳しく ただならぬ 戦 ...


     時の渦よ ぬぉ〜



     ん?

     ふなべんけい ...


     ふなべん け


     おお  ふなべんけい から


     【慶】

      1 めでたいこと。 祝うこと。 吉事。

      2 昔、任官・叙位などのお礼を申しあげたこと。 また、そのことば。 奏慶。


     − を とつたら


     ふなべん ではぬぁいくぁ〜



     ・・・


     ああ ふなへん  ... 


     いま どこで どうしているのだらう

     しあわせにしているのだらうくぁ  ....



     あっ いや


     ふなべん とは

     かつて 拙者が 思いを寄せた

     にょしょうの あだな


     く〜う ...


     つらい 別れ で あつた ぬぉ〜



     親の転勤 子の転校

     断ち切られる

     微妙な カンケイ


     文のやりとりも 自然に消滅....


     しくぁし

     いまも 文箱の中で香る

     ふなべん 14歳の インク文字 


     ・・・


     おっと いくぁん

     心の中の面影を 愛でている場合ではない


     乙姫ちゃんとの約束に

     おくれて しまつふ


     しくぁらば このたびは


     これにて

     立ち読み ご免っ !



     ●


     かくして


     その粗忽ゆえ

     道々 種々の 看板に

     向こう脛

     すなはち 弁慶のなきどころを

     ぶつけながら


     銀座三丁目 松屋銀座 入り口へと

     馳せる

     某日 某刻の 拙者 ぬぁで ありました マル



































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