姉からの手紙
暮れのうちに わたしは 一通の手紙を姉宛に出した。
父の 遺言状が見つかったからである。
自筆の遺言状の場合は まず  家庭裁判所での
「検認(けんにん)」を受けて 相続人立会いのもと 開封されなければならない。
必要な書類は いくつかあるが 当然 相続を受けるものの 「戸籍謄本」が 必要となる。
親子関係であれば 家族として 一員の戸籍謄本を役所で取ることが
できるが 結婚して夫の新戸籍にはいった 姉の分は当然 姉本人が
とらなくてはならない。 (委任状での申請は可)
わたしは 丁寧な文言の手紙を姉へしたためた。
返信用の封筒と切手も 同封した。(同封して返送くだされば
有難いです。)と 書き添えて。
年が明け、昨日 姉から 一枚の官製はがきが届いた。

そこへは 箇条書きでこう書かれていた。

「病院の・・・・の件はどうしましたか?」

「○○寺の・・・の 件は どうなっていますか?」

これだけである。(笑