金木犀の香り
きのう 昼過ぎに離れの戸を開けて 外へ降り立つと

あたり一面 甘やかな空気が漂っているのに気づいた。

さいしょ なんの香りか気づかなかった。

台風一過で 土も柔らかく湿っており、香りは そこここに

しっとりとまとわりついて、

まるで 見えない 季節の便りを そっと 誰かが

そこへ置いていってくれたような 優しさである。

「金木犀。。」

こころのなかに 光があふれてくる。