A N A T A N I

ゆうべは　古い家屋が心配で、母屋のほうで眠った。

眠ったといっても　もう夜中の三時を過ぎていて、今朝五時には眼が覚めてしまった。

もう一眠りと、八時に起床し、外を見てみた。

生暖かい風が吹いて　土砂の匂いがすこしする。　まるで　海辺にいるようだ、と

思う。　部屋は　１９，８度と　暖かい。

雨はほとんど止んでいるが　風はまだ　ざわざわと　弱く　強く　吹き荒れている。

陽射しが　ぎらぎらと　東側の庭の　ヤツデの濡れた葉っぱに　照り付けて

台風がいったあとは　ぐっと　気温も上がりそうな気配である。

しかし、まだ　油断はできない。

轟々と　とおくで　風の音がひびいている。　すこし落ち着いてから、また

家のまわりを　見回ってみようと思う。