秋の花束(ブーケ)




枝垂れる萩の枝の向こうには 鶏頭(けいとう)を思わすような

鮮やかな色の 彼岸花が咲いていた。

どちらの花も とうに色褪せて かたちさえ定かではなくなったある日のこと。

境内のなかにある ちいさな公園 といった風情のその場所には

穏やかな陽射しが あふれていた。

明るい中央の木のベンチを選び、 わたしはカメラバッグと

抱えてきたたくさんの秋の花たちを そこへ置いた。