A N A T A N I

いまから数年前ほど前（になると思うのですが）
勤務先の真向いに、それはそれは、
大変パスタが美味しいお店がありました。
エントランスには　ちいさな水場が置かれ
水底には綺麗な小石が、日の光に輝いていました。
中庭を思わせるそのしつらいに、
いつも　胸高まらせて、扉を開けたものでした。
職場の仕事は、時給も良い代わりに、
精神的負担を　かなり伴うものでしたが、
風邪で　みなが　つぎつぎ休む中、
生来の負けず嫌いの性分もあって、とうとう
メンバーのうち、もうひとりの方と
わたしのみが　研修のすべての日程を　無事
休むことなく　終えました。
そして、いよいよ　初めての　お給料日。　
わたしはいそいそと噂のレストランへと
食事をしに出かけました。
最初の日は、ランチでは　なく　ディナーを試しました。
それから、何回、そのレストランに通ったでしょうか。
ときおりは　離れた席に、同じフロアの上司が
食事をされていて、目顔で　あいさつされることも
ありました。
さて、その　素晴らしいお味のレストランですが、
いつか　家族と食べに行こうと　思っているうちに
あるとき、閉店してしまったことを　知ったのです。
わたしは　残念！と　思うと同時に、
ほとんど　毎日のように、食べに行ったこと、
そして　つたないながら　その何枚かを　写真に
撮って置いたことを　こころから　良かったと
思いました。
店の名は　「イル・コルティーレ」
最近　京都のほうに　同名のお店があることを
知りましたが、　オーナーが　同じであるかは
わかりません。
できれば、あの　パスタの味に　また　いつか
出会いたいと　強く　願っているわたしです。

今、もう一度調べてみましたら、
福岡にある　イル・コルティーレが、
わたしが訪れたお店に雰囲気が近いような気がします。
一度、食べに行ってみたいですね。

おやすみなさい・・☆

　　　　　　　　　　　　　　　　　izayoi