ことしの桜 (3)
嵐の夜が明けて、今日は青空が広がりました。
霞むほどの桜の花、昼時は さまざまなひとが
通り過ぎて行きます。
そのなかでも 颯爽とわたしの目の前を歩く
外国人女性。
この街では こんな風景も 日常的にあります。

横断歩道を渡ろうとする 二人連れ、マスクをしているひと
後ろから歩いてくる男性は、このあと
携帯を高く掲げ、見上げるように桜の写真を撮っていました。

右側にあるのは わたしが 引っ越してきた日、
また、故郷の家を掃除しに、ここと 実家を
忙しく行き来した際、箒を買った 荒物屋さんです。

ことしの春、
ことしの桜は ぼんやりと、 すこし 遠いのです。