ことしの桜 (2)
Hiroo Tokyo Japan

Photo by izayoi


昨日の午後 ふたたび外に出ると、もう 

満開に近い枝が 春風に揺蕩っていました。

下を通るひとたちは みな 穏やかな顔で にっこりと

ことしの桜を見上げながら 行き交っていくのでした。

真昼ながら わたしは ふと 晶子の あの歌を思い浮かべて

いました。


『清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき』


               (与謝野晶子)