クリスマスに君へ送る手紙
わたしが 電話を掛けたのは、

震災から 三日ほどした午後だった。

東北の震度や 原子力発電所の様子を 走り書きした

レポート用紙に いくつも、

「電話で安否を確認する」と 書いている。

一番 気になったのは そのことだった。

ようやく 子犬たちを ケージにいれて、

目黒の駅前から 携帯へ電話した。

君は わたしとわかると、すぐに席を離れ、携帯をもって

どこか 静かな場所へと 移動したようだった。

とにかく 『無事』で あることを知って、わたしは

震災後 初めて たっていられないほどの 疲労を感じた。


あれから・・

いつも送るクリスマスのプレゼントの代わりに

わたしは 来年の手帳を きのう 送った。

君も もう 大人だからね。

笹倉鉄平の「カダケス」の メモパッドに こう書いた。

「元気にしていますか。

・・・・・

仕事、大変でしょうが がんばってください。

いつも、誇りに思っています。」