〇〇〇屋の娘です。
田舎の店にありがちに、店先には誰もいなく

「ごめんください」と 何度大きな声で呼びかけても

誰も出てこない。

わたしは 白い大きな帽子に トロピカル模様のサンドレス。

噴出す汗をぬぐいながら 思わずためいきついた。

すると なかから 半身だけ身体を出したのは

ここを今仕切っている 長男のおかあさんだろう。

「はい どちらさまで?」

わたしは ハンカチで顔を仰ぎながら 丁寧にお辞儀をした。

「〇〇〇屋の 娘です。 父が、お世話になっています」