人間ぎらい
幼くして母親を病気でなくした父は、
本来は真面目で優しいが 妻に先立たれた淋しさから次第に働かなくなり飲酒でその淋しさを紛らす父親の
借金返済のため 群馬の大きな菓子問屋へと奉公に出された。

最初は 従業員たちの風呂たきや部屋の掃除
女将さんから言いつかる簡単なお使い やがて
18になったときに 初めて 菓子の小さな見本を詰めた木箱を自転車の荷台に括りつけ
「御用聞き」に 出るようになったという。