他人の夜の営みの時間帯は、俺が知るよしもなし 
am3:00
お気に入りの音楽を音量上げて聴きながら
ハイになって家路をゆっくり帰る
団地の駐車場に入ってライトを消し
タイマーによってエンジンが止められると
辺りは異様な静寂
暗い

思わず上を見上げると
出ていた月がない
満天の星は嬉しいが、俺の苦手な春の星座だ
スピカだけ、北斗を頼りに見つけられるが
未だに乙女座は結び付けられない
建物の切れ目からは、もう気の早いさそりが顔を出している

田舎ではそれほどない、こんなマンモス団地で明かりがこんなにないものか?

わかった

みんな暗がりの部屋で夜の営みに励んでいるんだろう
それにしても、声が漏れてこないのはどうしてだ?
奥さん達、みんな声を押し殺して、大変なことだな

ことのほか 閑かな今宵 更けゆきて 星はキラキラ 俺はクラクラ