2025年11月の記事


無題
色淡く 翳りゆくコスモスの傍らで

鶏頭の花 つと燃え立ちぬ


  『平成十六夜日記』より

         作者 上原順子
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冬のうた 
吹きすさぶ 胸の嵐のただ中に

小さくそびゆる 君の灯台

 『平成十六夜日記』より

   
        作者 上原順子
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冬のうた (牧師の妻)
幼子を抱きつ われを迎え入れ

頷くひとの 聖なる瞳(ひとみ)


    『平成十六夜日記』より


        作者 上原順子
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冬のうた
白鷺の降り立つ 朝の渋谷川 

橋より仰ぐ 冬の満月


      『平成十六夜日記』より


         作者 上原順子
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冬のうた 
人を見ず 道だけをみつめよと

冬陽明るき 街路樹はささやく


    『平成十六夜日記』より


         作者 上原順子
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10月の日記より
令和7年10月31日(金)


恵比寿駅から 動く歩道に乗り、恵比寿ガーデンプレイスへ向かう。

「まもなく降り口です。足元にご注意ください。」

3秒くらいの間をあけて、繰り返されるこの アナウンス。

あるときは 「ちょっと煩すぎるのでは?」と 感じたこともあった。

ところがあるとき、わたしはちょっと油断していたのだろう。

降り口のところで躓き、あやうく 転倒しそうになった。

ぼんやりしていたら、あっというまに「降り口」が目の前に近づいていたのだった。

「おっと・・」と 態勢を整えながら、内心ひやりとしたわたしだった。

そのとき思ったのは、「やはり、あのアナウンスは必要なのかもしれない。」

たとえば。もし、このアナウンスを無くしたら、どうだろう?

降り口で 転倒する人が 続出するだろうか・・・

そんな「リスク」を伴った 試みは おそらく為されないだろう。

おそらく、なんらかの「根拠」があって、この アナウンスは

設定されているのだろう。

そうそう、「転ばぬ先の杖」である。ありがたいことである。


日頃、「なんだかうるさいな~ 煩わしいな~」と 思う事柄にも

なんらかの 意味合いがあるのだろう。


「まもなく降り口です。足元にご注意ください。」

温かみのある 女性の声が いまも聞こえている。

さあ、11月8日 五時からの「点灯式」を控えて

すでに 頑丈なアルミの箱のなかに おさまった バカラのシャンデリアを

昨夜に続き、きょうも 見に行こう。


                       10:03 2025/10/31
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