子供の日に
屋根より高い こいのぼり

大きい真鯉は おとうさん

小さい緋鯉は 子供たち

面白そうに 泳いでる

「こいのぼり」


この歌を おもい浮かべると 同時に 思い出すあるシーン。
節句人形と 一緒に 買った 組み立て式の 鯉のぼり。

幟のてっべんについた 矢車 と金箔のボール。
黒塗りの細い軸を ちょうど 釣り竿のように 挿し込んで
五色の吹き流しは 毎年 桐の箱から 出すたび アイロンを かけた。そっと 上から 当て布をして。

息を整えて行う それらの所作は すべて、かけがえのない ちいさき者のため

ひとつ ひとつが
祈り そのものだったと

今、思う。