湯葉と修学旅行
あの当時、小学校の修学旅行は 「日光」と 相場が決まっていた。
たいてい お小遣いの額も 決められていて
子供たちは その額のなかで 土産売り場を友達とわいわいはしゃぎながら
ベナントや置物 自分用のキーホルダー やら
家族へのおまんじゅうなんか わたしの頃は 買っていたように思う。 「孫の手」なんか 買ってる子も いましたね (微笑

さて これは ある男の子の話しです。

彼の家は 二世帯住宅で 二階に 男の子とその両親が住み、
一階には 男親のほうの両親 つまり おじいちゃん おばあちゃんが 住んでいました。

男の子は 一人っ子だったのです。

日光の修学旅行へいく日 男の子の父親は 
お小遣いを 男の子に渡すとこう言いました。

「日光といえば 湯葉だからな。湯葉買ってきてくれよな。」