妻と対決
妻と、小遣いのことで、対決した


俺は元々、小遣いらしいものはもらっていなかった
必要な時は言えばくれたし
パチンコも麻雀も競馬も、田舎へUターンしてからといもの一切やっていない

ところが近年、必要があってもなかなか貰えなくなってしまった
ガキが大きくなったのもあるし、妻が保母もとい保育士を辞めたのもある
ネットやケータイ、事故や車のローンなんかもあるが

多分、俺の稼ぎが悪いからだ
だから、カネをくれと云えないし、貰いにくい

でも、俺も昼飯くらいは食いたい
カネが無いから、ご存じの通り「カップラーメン」人生になった
タバコや缶コーヒーだって、厳しい仕事の中では必要だ

それでも小心者の俺は、妻になかなか云えない
妻が寝ている時に、こっそり財布から盗むと
朝バレてしまうし

そこに、チャンスが訪れた
俺の給料が、多少上がるのだ

そこで俺は、会社の経理に言って
上がるはずの差額分の数万円を
振込みの給料から抜いて俺に渡してもらい、残りを口座に振り込んでもらうようにした

作戦は成功した
俺はそのカネで、ほとんど妻に頼ることなく、一年間無事に生きてこられた

だが・・・

年が明けて、妻が経理になった
みんなの給料を振り込むのだ
もうごまかせない

俺はすべてを白状し、生きるために小遣いをくれと妻に懇願した
一応、妻はわかってくれた

だが、キビシイひとこと

「お弁当ぐらい、自分で作ったら」

・・・がーん