NEKO 捕獲 大作戦 part.3 クロネコ宅急便
「にゃんで、あんなトコにエサがあるんだ?」
「やめにゃよクロちゃん! ありゃ、罠だよ」
「でも、腹減ったしにゃぁ」
「きのう、シロちゃんもあの手で捕まったじゃん?危にゃいよ」

俺の横に置いてあるネコかごの前にたたずむ2匹
昨日と同じように、中にはエサが入っている

ガキどもは、うるさいだけで役にたたないから、今日は呼んでない
俺だけで捕まえるつもりだ

「よし、おいらは決めた。たとえ捕まっても、食うぞ むしゃむしゃ」
「知〜らにゃいよ」

ぱたん

フタが閉まる音

「やっぱりな、フッ」

こうして、クロだけは簡単に確保できた
どうしても、クロとグレーは一緒に入らないから
仕方なく、グレーは力づくでつかまえるしかない

クロは、昨日のシロとうって変わって、おとなしい
諦めか? 悟りの境地か?
グレーは遠くから心配そうにこちらを見ている

事務所の入口をダンボールで隠し、追い込みに人数が必要なのでガキどもを呼んだ
4人で追っかけまわすこと30分
とうとうグレーに逃げられてやんの

届け先の更埴はここから一時間はかかるので、グレーはまた明日にでもして
遅くならないうちに、クロだけでも配達することにした

pm10:00、取引先の兄さんと会い、無事クロを渡すことが出来たよ
「大事にしてね」ウチの♂ガキ
「はいはい、大丈夫だからね」兄さん

クロは一番なついていたし、肝が据わっているから、きっと大丈夫だろう

俺だけ会社に戻り、残務整理の続きをしていると、グレーが現れた

「アオ〜ん にゃお〜ん」

俺を遠くに確認しながら、兄弟達を探している
なんともいえない哀しそうな鳴き声

グレーよ、とうとうお前は一人ぼっちになってしまったな