みさざえさん 復活 ―ガス欠編―
自動車部品商を商う者にとって、急な納品は宿命である
修理した車が明日納車と決まっていれば、何が何でも今日中に部品を揃えて
整備工場・板金工場に納品しなければならない

その日がそうだった

5時も過ぎた頃、どうしても部品が欲しいと板金屋から泣きが入った
「う〜ん」
「どうしよう」
「こんな時間に、あんなトコまで?」

すると、名乗りをあげた者がいた
「私が行きます!」

おお!なんと素晴らしい
わが妻ながら感心なヤツ

初めて行くところなので、道案内を済ませ
さっそうと妻は出ていった

しばらくたって、ケータイにTEL
「わかんないよ〜 迷子になったよう〜」

またかよ!
一生懸命、俺が道を説明する

しばらくたって、またケータイにTEL
「え〜ん ガス欠で止まったよう〜」

なんてこった
お客が部品を待ってるっていうのに
仕方なくお客にTELし、車の止まってるあたりに引き取りにいってもらう
ガスは、近くに取引先のスタンドがあったから
とりあえず何とかなった

・・・嗚呼、頭が痛い
ガスを出してばかりいないで、たまには入れてな