みさざえさん 再び −ショッピング編−
県内最大のジャ○コが地元にある
小雨のそぼ降る夜、そこに行った時の事

入るとすぐに妻はスタスタ先に行ってしまった
ガキ2匹は
「ちょっと二人で探検に行ってきていい?」
「ああいいよ ただし20分ぐらいしたら、ここへ帰ってこいよ このジイさんの前だ」
デパートの入口には、チキンの大好きなオッサンが立っていて目立つ
もう小学4年と2年だし、大丈夫だろうと判断した

俺が妻に追いつくと
「ちょっと、子供達はどうしたの? え? 二人で行かせたの? 何で? うそ 信じらんない! 迷子になったらどうするの? ヘンな人がいたら困るじゃない? もう少し子供のことを考えて…」云々かんぬん
「もうガキじゃないんだし、そんなに心配するなって…」あ、まだガキか

プンプンしながら買い物を終えると、先ほどの待ち合わせ場所へ
二人で待つこと、1分、2分、3分、そして5分…子供は帰ってこない
イライラしながら待っていた妻が、小爆発した
「ほら、帰ってこないじゃない! 迷子になって泣いてるわ だいたい貴方が二人で行かせるからよ ちょっと放任し過ぎ! 少しは…」云々かんぬん
妻は子供達を探しに走っていった
まだ時間前なのに

ほとんど入れ違いに、子供達が帰ってきた
「お前達、時計がないのによく時間わかったな」
「うん お店屋さんに時計あるからわかるよ」
「今お母さんとすれ違わなかったか?」
「お母さんね、向こうに走っていったよ 慌てて また忘れ物したの?」←みさざえさん登場を参照
ま、こんなモンだ

こういう時は、ヘタに動き回らないほうがいい
今度はガキと一緒に妻を待つ
5分、10分…妻は来ない
子供を探して店内中を見て回っているのだろうか
ちょっと胸が痛んだ
「お母さん、探してくる」
ガキはまた手をつないで行こうとした
「じゃあ、お父さんから見えるところまでにしなよ」
「うん わかった」

ガキが右に左に、探しながら離れていく
時折こちらを見ては、俺の存在を確認しながら
と、ガキがニコニコしてこちらに手を振る
見つけたな

やっと戻ってきた妻は、ひどく落ち込んで半ベソ状態だった
また胸が痛んだ
「悪かったな 今度は子供を放ったらかしにしないよ」
「ううん 違うの」

俺の予想もしない答えが待っていた

「迷子になっちゃったの 佐久平の駅が見えてきた時は泣けてきた どうやっても戻れないんだもん だいたいこの店が広すぎるのよ! こんな田舎にこんな大きな店、必要ないじゃない!!」云々かんぬん

ガキだって定刻に戻ってこれたのに
これが心配してソンしたっつーヤツだな
脚色はねーぜ
すべて真実だ