diary

家を買おうと思っている

しかしながら、俺は生来のローン嫌い
延々と何十年も搾り取られて、現金価格の倍も支払って
ようやく終わったときは、人生の終点が目の前
そんなん、ヤダ

大体、明日も元気で働けて、月末に確実に給料が貰える保証なんて
何処にもない
ましてや自営業なら、なおさらだ
倒産すれば身ぐるみ剥がれて、失業手当もなんにもない

妻や子供に裕福な生活は与えられないけど、借金ジゴクだけは避けたい
毎日恐いおにーさんが来て、関西弁で
「オラー！　中にいるのわかってんだよ！早よ金返さんかい！」
「腎臓でも肝臓でも売らんかよ！　死んでも払え！」
「女房歳くってるけど、厚化粧して夜のショーバイさせろ！なんなら♀ガキ売り飛ばしたろか！」
考えただけでも身の毛がよだつ

でも、今は県営住宅住まい
もしかして多少給料が上がるかもしれないし、共働きで妻の収入もバカにできない
県営の宿命で家賃は年収に比例するから、今年収入が上がれば来年家賃も上がる
あんまり上がるようなら、ただ払い続けるより
家を購入して支払いに回した方が、とりあえず財産は残る

イナカでは土地も安いし、庭付き一戸建てでも都会よりはるかに広い
犬も猫もニワトリもうさぎも山羊も蛇もカブトムシも亀もカエルも飼える
ローンを組むにも、俺の歳ではそろそろ苦しいし
決断の時か

幸い妻は、一応都会出身のわりに贅沢は言わない方だ
ボロくてもくみ取りでも狭くても平屋でも、文句はないらしい
ただ気にしているのは、隣り近所
クチやかましいオバサンや、変質っぽいにーさんには敏感だ
田んぼの中の、一軒家にでもするしかない

俺は、なんにもこだわりは、無い
いや、ただ一つだけ、あるにはある

もうわかってるか