小回りのきくオマワリ
深夜 am1:00

俺がようやく仕事を終え、帰宅しようと会社の駐車場で旋回したら
いきなりパトカーが回転灯もつけずに入ってきた
『うわ やべー!』
こーゆー時は、とりあえずそう思うことにしている

しかめっ面した年輩とワカゾーのオマワリが二人、パトカーから降りてきて
いかにも俺に職務質問したそうな目で俺を睨んでいる

『なにかしたっけ? ここは私有地だから、シートベルトはしてなくてもいいはずだし』

俺は車から降ろされ、質問責め
「名前は? おたくこの会社の人? こんな時間まで仕事? どこ住んでるの? この車、あなたの? 免許証見せて 誰か後ろに乗ってる? 」

そりゃそうだ
国道沿いとはいえ、人っ子一人いない夜中
駐車場で無灯火でうろうろしてたら
事務所荒らしなんかに間違われてもしかたないわな

俺と同じくオシゴト熱心なお巡りさんはようやく納得し
俺を解放した

国道へ出てホッとしたのも束の間
またパトカーが追いかけてきやがった!
猛スピードで追い越して俺の行く手を封鎖し
あわくって降りてくる

『うわ もうダメだ』
なんでそう思うのかはわからないが、とにかくそう思った
俺の窓をたたいて、オマワリは云った

「後ろのナンバー灯、切れてますよ」
そういや、ウチの車、電飾だったが・・・

おいおい、おかげで寿命が一年縮まったただよ