ペディキュア
今朝も、少し寒そうだ。
環状線の向こうの欅の木々は、
少し明るくなった空を背景に、
まだ黒々とした裸木のシルエットだ。

昨日は、やっと手に入った師の第一句集を、
喫茶店にて読み終えた。

もう8時を過ぎていたが、
懐かしくなって・・電話してみた。

明るい声が返ってきて、
「目的を持って続けることよ」と・・。

目的なんか無くて・
私は遊んでいるだけなのだが。

いつも、何があってもどっしりとおおらかに構えていた師なのだが・
句集には、以外にも、憂きこと・・や、寂しさが、歌われていた。

私が好きだったのは・
「思想など無し唐辛子赤きのみ」だった。
他にもたくさんあったけれど・・

師はこれ丸谷才一が取り上げてくれた句なのよ・と、
仰っていた。

考えすぎちゃだめ・
あのころは自然に言葉が降りてきたから、楽しかった・・と。

今日は、
青山まで、本音を言えば・・
ちょっと重たい気分で、出かける。

ペディキュアは真紅と決めて花紫荊  れんげ