弥生・3月・春愁
太郎をカートに乗せて、
よく行った近くの公園の前を通ったら・・

今年も・
桃の花が咲いていた。
自転車で走りすぎたので、
じっくりは見ていなかったけれど・・

ずっと・忘れようとしていた想いが、
一気に溢れてきた。

太郎を抱いてカートに入れて、連れて行き、
抱き下ろして小さな芝生に、
横たわらせるだけでも一仕事だった。

機嫌がよければ・
日差しを浴びて、目を閉じていたし、
おやつをあげたりした。

歩けなくなってからは・・
大変だったけれど・・
居てくれるだけで、癒されていた。

今はもういない・と言う事実。

それでも、
ピンク色して桃の花は咲こうとしている。

季節は
私にとっては、時には残酷なことだと・
思った。

それでも・・
季節は巡り、時間とともに痛みや哀しみは、
薄れていくね。

公園のシデコブシは満開だった。

三本は挿して花菜を茹でこぼす  れんげ