ウインターガーデン
こんぺいとさんと一緒に中島みゆきさんの「夜会11」を観て来ました。プレミアムモノでなかなか観れないとか。私も初めての観劇。
そう、劇なんです。みゆきさんの世界観をドラマにした、オリジナルミュージカルと言うんでしょうか。はっきり言って泣けます(^^)
著作権保護の為、カメラも録音もダメとチェックが入っていましたが、「記憶」は善いんじゃないか?と言う事で。

推定年齢35歳の女性(谷山浩子)が、会社の帳簿の中の不明金をコツコツと13年間横領して貯め込んだ4000万円を使って湿原の中の一軒家を隠れ家とする為に引っ越して来る。
他人のツメに傷つく事を怖れ、自分をころし今日まで目立たぬ様に生きてきた彼女は、その家で1人の男の訪問を待っている。
その男に望まれる事によって、この家で自分の人生を取り戻し、やり直せると信じて待っている……男が家庭を捨てて来るのを。

いわく有りげな一軒家には、いわく有りげな生き物の先客がふたり。この家で以前起きた悲劇を傍観し、今再び繰り返そうとしている「ヒト」を黙って眺め続ける一本の槲の樹(佐野登)
主の無くなった紅い帽子を想い出の様に抱きしめ、じゃれる一匹の犬(中島みゆき)

季節が過ぎ、湿原が氷原へと変わる頃。女性はこの家のいわくを知る。
夫に愛人ができて離婚を押し付けられ、心神耗弱に陥った婦人の失火により、この家の主は紅い帽子を残して死亡…
離婚が決まったと思い、何も知らず家に訪ねて来た愛人は、誰も居なくなった家を見て自分が裏切られたのではと思い、男の姿を捜す内に氷原の割れ目に落ちて…
自分の存在理由を「必要とされる事」に求めていた女性達は、その相手を喪う事を怖れ悲劇に見舞われて行く。それは今この家に住む女性にも変わりのない事…

やがて女性は待っている男が決して家庭を捨てず、この家に現れない事を知る。自分の存在理由が無くなってしまったと感じた女性は、一瞬、横領の証拠の帳簿を持ち世間に訴え出ようかと考える。そうすれば、なぜ自分が犯罪に手を染めたかも、どうやって生きて来たのかも、何を想って待っていたのかも、全てが世間に知れる。その瞬間、女性は総ての人の心の中に存在する事が出来る……しかし…

やがて女性は帳簿を捨て、犬から紅い帽子を取り上げると自分のスカーフだけをそっと残し、覚悟を決めたかのように猛吹雪の雪原に乗り出して行ったのだった…
吹雪のおさまった朝。帽子ではなくスカーフに一生懸命じゃれつく犬。と、それを眺める槲の樹。
想いを残された生き物達に雲間から光がカーテンの様に降り注ぐ。果して彼女は天国への階段を昇る事が出来たのだろうか…

と言うようなお話でした〜と私は受け取ったんですが(^^;何所まで理解できているやら〜
このようなドラマがみゆきさんや谷山さんの詩で演じられていきました。涙腺の弱い私にはなかなかツライ話だったです。
「独りで生きるのって…」と云う想いが頭の中をグルングルンしてました。帰ってから今日まで唯一持っている中島さんのCD「LOVEorNOTHING(全てか無か?)」をかけっぱなし(^^;
中島みゆきさんのスゴサに圧倒されっぱなしの週末でしたですぅ〜ハイ(^^)