不安。
え〜と、コレはとあるお友達〜の日記を見て思い出した昔話なのですが。
それは十年とちょっと昔。バブル景気が弾けたばかりの頃。銀行やゼネコンはまだ表立って不良債権の話をしてなかった頃に、その場所のランドマークタワーはオープンしました。
その土地には有名なビール工場が有り、それにちなんで駅でビヤホールを設営している程でした。その駅の周辺は風俗店や屋台の在る大人の社交場と言う感じで、少し駅から離れるとコジャレタお店もポツポツ在るよって感じの土地でした。

その駅周辺の再開発事業はバブル全盛の時に計画され、国鉄からJRに変って余剰した管理敷地とビール工場の跡地をまとめて、豪華で近代的なランドマークタワーが建設され、ビルのオープン時にはトレンディドラマやCMの撮影等に使われて一気に若者層にブレイクして…
今では駅周辺の再開発も終り、おしゃれな若者の街に変貌しています。
それ自体はどうでもよい事ですが…

その街のランドマークタワーがオープンする前、数ヶ月に渡って私はそこの建物の「一部」に作業に入っていました。
建物はほぼ完成しており、後は仕上げ作業やオープン設備の設置を残すのみ。
そこで私が目にしたのは…
「あれ?渡された図面だと柱は全部コンクリの本柱のハズなのに…何本かに一本、定期的に中身が空の飾り柱が入ってるね〜」
「おお、ここを支えてるコンクリ壁ってこれだけなんだぁ〜あとのは石膏ボードかぁ」
「あれ、このボルト普通はジョイント金具で繋ぐハズなのに〜全部簡易溶接だね。しかも手でもげちゃうぐらい。ホントの簡易だね(笑)」
「おお!」「ああ…」「ほっほう〜」…
それは建物自体の材料費を極限まで抑える為の職人さん達の涙ぐましい努力の跡に私には見えました。
もちろんプロの方が強度や耐震性を設計されたキチンとした建物だと私は信じていますし、昔の話ですから私の記憶違いかも知れません。ですが私は仕事以外では絶対アノ建物には近づかない事にしています。たぶん気持ちの問題なのでしょう…きっと。

長々と書いてきましたが。
バブルが弾けたばかりの頃、企業や銀行がその資金繰りを公にせずにミテクレを守っていた頃って、こう云う建築計画の変更を余儀なくされた建物って結構有ったんじゃないのかなぁ〜…と。
ひょっとして、あなたの住んでいるマンションって築10年ぐらいだったりしませんか?(^_^;