土筆和え
桜並木は、もう誰も見上げない。
すっかり昨日の強風と雨で最終章を閉じた。

あんなにも心待ちにして、
花開くのを待った日が嘘のようだ。

替わってアメリカハナミズキが咲き出しそうだし、
姫林檎の蕾のピンクと、咲いた白色の花が可憐です。

フジの花房も、待ち遠しげに首を伸ばしているみたい。

鉄道が高架になっている下の金網の近くに、土筆の群生を見つけた。

自転車を止めて、
夕飯の一品になるぐらい摘んで帰って
「土筆和え」を作った。

ごま油で炒めて、醤油とみりんで煮ただけです。
手間の割には、ほんの少しですが、
この苦味がまた、なんとも美味です。

事務所に居たら、
ごんちゃんのおばあちゃんが寄ってくれました。
農協で買ってきた甘い香りのする苺と、
花菜をいただいた。

「最後にゴンちゃんに会えてよかったわ」と言ったら
本当はもっと早くに車がくるはずだったのに、
「キット、貴方が来るのを待ってたのよね」
と仰ったので、二人とも涙が出そうになった。

お骨になって帰るのは、二、三日後になるそうだ。

「太郎ちゃんは、大変だけど、いるだけでいいのよ。」
「ゴンちゃんはいないんだから」
「ペットショップに行ってもゴンちゃんは売ってないし、
太郎ちゃんも売ってないわよ」と、
おばあちゃんは言う。

そうね。

戻ってきたら、「お線香をあげに行かせてね」と言って別れました。