命の雫
風がふくと
心が色めきだつ
木の葉のゆれ
海の声が聞こえ
風との愛しい時の中に
美しい神聖な時間を感じるから
心にあることの
一切を風の見えない声が
かきけしてくれ
迷いやはかさなの中にいることを
力強い腕で
連れ戻してくれるという
風の親衛隊

心がゆれるのは
ざわめき立つのは
風の声の中に
愛しい想いが呼び覚まされるから
風の声が
いつしか
自分の内なる声と
重なってゆくから

ただ吹かれるままに
沸き立つように
そして
すべてのものを遮断しながら進み
己の確かな時の場所へと
連れて行くから

全身でゆれていたい
心の声の中に
わたしの残した命の雫があることを