インドとインドネシアの白檀の違い
白檀の線香を買いに行ったお香屋で店のかたと少し話したのだが
「インドの最高品質の白檀を使ってるのでこれはお薦め」とのこと。
んで、インドネシア産は質が落ちるらしい。

これって別の植物(学名で言うところの)って話なのかな?
白檀と言っても、ビャクダン科、ビャクダン属とあるので、いろいろあるのだろうか?

通常ビャクダンというのは学名で言うとSantalum albumという植物であるらしい。

他にどんなのがあるのかと調べると
オーストラリア白檀(Santalum spicatum)という近縁種が出てきた。
インド白檀の高騰で注目されているらしいが、香りで劣ると言われている。
しかしインド産とまた違った香りでイイと謳う精油販売サイトなどもあるようだ。
商売なので、質の低いのを単に「それも味」と言ってる可能性もありそのまま真に受けるわけにもいかないが、まあそういうのもあるらしいということで覚えておこうと思う。
機会があったら香り比べをしてみたい。
Santalum austrocaledonicumという記述も散見したけど、学名としてどっちが正しいのか、また別種なのかはよく分からなかった。


あと西インド諸島産白檀(?)というのも。
アミリス(Amyris balsamifera)という植物は、白檀と全く無縁の植物だが、香りが似ていて、高価な白檀の代替品として使われるそうな。
西インド諸島に産する。(西インド諸島つっても、大航海時代の欧米人が新大陸をインドと勘違いして付けた名で、アメリカ大陸の西、カリブ海の島々。ハイチとかそのへんのことです)
なんか「西インド産白檀」と誤解を生む表現や、「原産:西インド」という呼称などが散見されるが、誤解を生むので
「アミリス」もしくは、代替白檀ということを言いたいのなら、「アメリカ白檀」とか「カリブ白檀」とか言ったほうがいいと思った…
ピュアにインドのパキスタン寄りの西地方で産出と思ってる人居そうだった。


同じく別種の植物でアフリカ白檀というものもあるらしいが、これは別記事で書く。



その他調べて出てきた白檀属。

フィジーの白檀(Santalum yasi)というのもあるらしい。

ハワイの白檀(Santalum freycinetianum、 Santalum ellipticum、Santalum paniculatum)も出てきた。
3種も出てきたけど、かつてハワイは白檀がよく輸出されてたらしい。
ハワイアンサンダルウッドで調べるといろいろ出てくるかも。

ポリネシアンサンダルウッド(Santalum marchionense)も。芳香をいろいろポリネシアの住民が生活に使ってきたそうなのでやはり芳香が強いのだろう。



で、結局インドネシアの白檀はよくわからんね。けど、インドから太平洋、オーストラリアまで広く分布する植物のようなので
インド原産のSantalum albumが植栽されたというよりは、インドネシアあたりの原産種がありそうに思うので、恐らく亜種レベルか別種かは分からないが、インドネシアの特徴を持った白檀があるのではないかと思うので、香りが違うというのもありそう。

また半寄生植物なので、宿主になる木や土壌によって香りも変わってきそうだし、地方ごとの香りはやはり違うだろう。




気になる香りの差だが、フィジーやハワイの白檀は香りが少なく、やはりインドの白檀が最も芳香が強いようだ。
普通に考えると、ユーラシア西グループが香りを出す能力が高く、東に行くにつれその能力が低いという分布をしているので、
やはりオーストラリアのものは落ちるのでは?と思われるが、薄い香りも抽出して濃くすれば同じだし、
強さでなく、香りの質という点に視点を置けば、香りの薄いオーストラリアを濃縮したのはまた違った味があるというのはあるかもしれない。
製法次第とは思うけど、基本的にはインド産が上質というお店の人の話は正しそう。

あと安い白檀モノはアミリスそのものだったり、アミリス混ぜ物だったりするのだろう。100均の白檀お香とか絶対高騰してるインド白檀とか使ってないわな…
精油の世界なんかも、原価高騰でどんどんオーストラリア白檀に原料変更が起こってるようだし、本物の上質インド白檀を嗅ぐ機会はどんどん減ってる感じです。