未必の故意
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   ななちゃんが 日当たりのいい庭で 毛繕いをする姿が
   携帯の動画に残ってる

   日付けを見ると 今年の四月二十五日..

   安楽死の処置をする ちょうど二ヶ月前だ

   毛繕いをするぐらいだから 体調はそんなに悪くなかった?

   でも、喉を鳴らし始めたのは もっと前だったような気がする

   それに、のざえるような仕草も かなり以前からやってたような.. 

   申し訳ないけど この頃の事、ハッキリ覚えてないんだよね

   惰性というか.. 情けないね

   どっちにしても、去年の夏 見るからに「痩せたなぁ」と、思った頃から
   ななちゃんの体には 何らかの変化が起きてたんだろうね

   それなのに、私は 「もう歳だから..」を、口実に その状態を深刻に
   受け止める事はしなかった

   呼び方だって、若いノラ達が来るようになった 二~三年前からは
   「ななちゃん」なんて きちんと名前で呼んだ事はない

   いっつも、「オバチャン」だったよね

   ななちゃん、きっと心外だったろうなぁ 

   今になって「ななちゃん、ななちゃん」なんて やけに呼んでくれるけど
   一体、どうしたんだい? って、感じだろうね^^; 


   もし、去年の夏 ななちゃんの体調の変化に 気づいていたとしても
   今と同じく 積極的な医療を施してあげることは しなかったと思う

   未必の故意.. まさしく、これ

   ダメかもしれない  けど、何も手を打たない

   経済的な事を理由に 私は明らかに ななちゃんを見放した

   ななちゃんを殺したのは 間違いなく この私

   私が犯した罪は 途轍もなく 深い
* 

編集 えむ : ほんとに、いつも救われてるよ^^
編集 えむ : yumaさんのこういうコメント、私の気を楽にしてくれる
編集 えむ : あは、そっちか~~~(笑)
編集 yuma : そう、えむさんの犯した罪はななちゃんを「おばちゃん」と呼んだことだ