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ビンラーディン容疑者「日本経済の破壊」に言及
2007.12.4 19:45

このニュースのトピックス:中東
 国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者が、米軍の掃討作戦を逃れてアフガニスタン東部トラボラの山中に潜んでいた2001年11月ごろ、対米追従に傾斜していた日本について「原油タンカーを攻撃し、日本経済を破壊してやろうか」などと述べていたことが4日、分かった。

 当時、ビンラーディン容疑者と行動をともにしていたサウジアラビア人のアルカーイダ元兵士(32)が、複数の側近から聞いた話として明らかにした。海上自衛隊によるインド洋での給油活動など、テロとの戦いに協力姿勢を示した日本を、同容疑者が「敵」と位置付けていたことが鮮明になった。

 日本経済に的を絞った攻撃計画が具体化していたとの情報はないが、02年10月にはイエメン沖でフランス船籍の石油タンカーが爆破されるテロがあり、ビンラーディン容疑者と密接なつながりを持つとされる男らが有罪判決を受けている。

 元兵士によると、ビンラーディン容疑者は日本の対米追従外交に反感を抱き「日本は自国の権益に対するどんな攻撃にも耐えられない」と述べ、タンカー攻撃に言及した。

 日本の国会は01年10月末、米政府の対テロ戦争に協力し、海自のインド洋派遣の法的根拠となるテロ対策特別措置法を成立させた。発言はこの動きへの反発とみられる。

 同容疑者は米中枢同時テロ以前の複数のインタビューで、日本が米国の原爆投下で甚大な被害を受けたことを指摘し「米国による犯罪」の被害者と位置付けていた。(共同)