やさしい風が吹いたら
小田和正



男性ながらファルセットを使わず女声域までの高音を素直に出せる歌声が大きな特徴である。オフコース初期には、バンドに女性ボーカルがいると間違われることもしばしばだったという。その少年のような歌声から変声期を経ずに成長したのではとの見方もあり、自身も音楽評論家の小貫信昭のインタビュー本『たしかなこと』で「変声期があった記憶がないので、声変わりしていないと思う」との旨を述べている。しかし、2005年のコンサート中のMCにて「医者に尋ねてみたが、声変わりしていないという事は有り得ないそうだ」と、その認識に変化があった様子を窺わせた(発声が生来しっかりしていたため、声変わりしても元の音域で話せたせいで、声変わりに気づかなかっただけという可能性が指摘されている)。話す声は比較的低く聞こえ、歌声とのギャップが大きいと感じる人が多く、「どうしたら高い声で歌えるのか」という質問をよくされるが、それに対しては「僕はただシャウトしているだけ」と答えている。東北大学時代は混声合唱団でテノールを担当していた。

混声合唱団では、男性高音パートを受け持つテノールのパート・リーダーを務めた。声楽の褒め言葉として、「テノールのようなアルト」、「アルトのようなテノール」という表現があるが、小田の声はまさに後者に当たる。

「声変わり」していないという俗説があるが、声変わりした男性の声は女声より確実に1オクターブ低くなる。ウィーン少年合唱団の声は女声と同じ音域であるが小田の話声は女声より1オクターブ低く声変わり後の男声である。ただ、小田の歌声の発声領域は、「ヘ音記号」楽譜の下のソ音 (G) 付近から「ト音記号」楽譜の上のレ音 (D) 付近までである。つまり、小田は女性の声域のさらに下に1オクターブ追加された声域ということになる。音域が広いため、よく聴いてみると高音部が目立つ楽曲の中にもアルトの領域を少し下に外れテノールの領域に入る部分が僅かに組み込まれているものもあり、男声として高域の伸びと声の質が小田の天性の魅力となっている。その発声はいわゆる、音の揺らぎ-ビブラート-の少ないフラットな澄んだ声であることと、音程の正しさも小田の高域の声の美しい印象を高めている。

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