皇位継承が男系男子でなければならない理由。
忠蔵のかわら版より
岡 本 忠 藏 氏

今上天皇は125代目ですが、一度も男系を外れたことはありません。歴史上では天皇の娘が一時的に天皇に即位したことがありましたが、いずれも緊急避難的な措置であって、必ず男系男子の継承者に即位させています。この『女性天皇』は歴史上10代・8名が存在したと聞いています。

さて、この『女性天皇』と『女系天皇』は全く違います。『都(みやこ)』である京都の府議会議員でも知らない人は多いですし、ましてや国会議員なら当たり前のように知っていてもらいたいものですが、実はそうではないという現実にあきれてしまいます。

女系天皇とは、女性天皇と民間男性との間にできた子が天皇になった場合のことを言います。

さて血筋において、男子は『種』、女子は『畑』の役割を担っています。たとえば競馬の世界ではオスが『種牡馬』と呼ばれてそのオスの血統を残していくように、一般的にもそのように認識されていると思います。種はどのような畑にまいてもその種類の植物が生えますが、逆を言えば、畑に生えてくる植物はどんな種がまかれるかによって変わります。

つまり、もし将来日本に女性天皇が即位して民間男子と結婚し子どもが生まれて皇位を継承すれば、その民間男子による新しい王朝が誕生したということになります。恐ろしいことです。

歴史上には時に強大な権力者が現れて、日本が乗っ取られる危機がありました。たとえば、蘇我氏や藤原氏などの時代もそうでした。
もし女系天皇を容認していれば、女性皇族と蘇我氏や藤原氏の男子と結婚させ、生まれた子を天皇に即位させれば、またたく間に蘇我王朝・藤原王朝が誕生することになるのです。

また一方、今年のNHK大河ドラマの主人公・平清盛は、妻の妹を後白河上皇に嫁がせ、その子が天皇に即位することになり、そこに自分の娘を養女にさせました。天皇の権威を利用して政治を掌握しようとした手段だったわけですが、しかし清盛はせいぜい天皇の義理の『おじいちゃん』であって、自分が天皇になることなどは天地がひっくり返ってもできなかったのです。

このように『男系男子の皇位継承システム』は無用な権力闘争に歯止めをかけ、日本がずっと『和の国』であることの基盤をも継承してきました。蘇我氏が、藤原氏が、平家であっても、どのような野望を抱いていたとしても出せるのはせいぜい皇后までで、自分の種による新しい王朝の誕生は阻止されてきたわけです。男系男子の皇位継承を続けることは、皇室が権力者・実力者からの支援は受けるものの取って代わらせることはできないという安全装置であって、日本のタテイトをつないできた重要な役割を果たしたのです。

今、女系天皇を認めてしまったら、成り上がり者の野心を止める担保を失うことになります。地位や権力、財力をほしいままに手に入れた者が最後に自分の種による天皇を誕生させようと考えた時、その野望を完全に阻止することはできないのです。それがもし外国人だったら。戦争など必要なく、合法的に日本を乗っ取ることができます。

他民族の王朝が誕生する可能性など1%でもあってはなりません。日本は歴史と伝統の国、『和をもって貴しとなす』という教えをずっと続けてきたタテイトの国です。
だから東日本大震災などの天変地異がおこっても、暴動など起きない、行列にきちんと並んで順番を待つことができる、秩序正しい、誰にでも優しい、礼節を重んじることができる、世界が日本人に感嘆し尊敬を集める根幹がここにあるのです。
世界中で自動販売機を誰もいない屋外に設置できるのは日本だけです。日本以外であれば、必ず盗まれたり壊されたりして中のお金と商品が奪われてしまうのです。
『クール・ジャパン』の根幹は『和』であり、それは男系男子に受け継がれてきた天皇を中心とした和の精神なのだと私は確信しています。