放蕩猫帰還一日目


 六月一日の夜に来た訪問者が玄関の扉を閉めていなかった為に、ビッキーとウニヴェルソが外へ出て行き、ウニちゃんは父が風車製作に使っていた8坪のプレハブ小屋の下に潜り込んで、私が助け出すまで床下に居ました。
外の世界はよっぽど恐ろしかったらしく、しがみついて来ました。

 ビッキーは元々野良の気質が強いので、昨日まで丸々二ヶ月も、ご飯を貰いに寄っては来ても、家の中に入るとは言わないので、
「そう!外に居たいのなら勝手にしなさい!」
と放っておいたのですが、七月に成ってから毎日毎日、雨、雨、時々豪雨!!だったのが辛かったのか、豪雨の時には裏口に来て大声で
にゃ〜〜〜ん!!にゃ〜〜〜ん!
と叫ぶので戸を開けてやるのですが、入って来ません。

 どうやらこの悪天候続きで里心が付いたのか、最近は毎日、入りたい様な態度を見せる様に成っていました。

 そして昨日の夕方ベランダの前に来て「入りたい!」と言うので、蚊が入って来るのは嫌ですが、しばらく戸を開けておいたら入って来ました。

 又逃げない内に、外へ出て戸を閉めたら、もう既に出た後で、やっぱり入らないのかな?!
と思っていたら直ぐに又大声で『にゃ〜〜〜!!』と鳴き始めたので再び戸を開け放ち、暫くすると家の中に入って来たので、又急いで外から戸を閉めたら、今度は確保に成功しました。

 何たって懐いてない「野良猫」を飼うのは至難の業で、傍へ寄れば逃げてしまうし、難儀しました。

 昨日は帰宅してから暫くは落ち着かなかったし、二ヶ月もよその猫に成った姉妹をウニちゃんは受け入れず、ふぁ〜〜〜!!っと怒ります。

 今朝は私のベッドの上に「にゃん、にゃん」と甘え声を出して上がって来たビッキーを、傍のソファで寝ていたウニちゃんが又
「ふぁ〜〜っ!」と威嚇したら、ビッキーは慌てて降りて行きました。

 食卓の椅子の一つがビッキーの定位置だったのですが、今も元通りにそこで寛いでいます。


本人だけは何も無かった様な様子ですが、ウニちゃんが受け入れるのには、未だ時間がかかりそうです。