眠り損ねた夜
夢の途中で目がさめた。

まず覚えていたのが葬式の場面。

私の父親らしき人物が
「○○は、もう来たか?」
と言って、通り過ぎていく。

どうやら、どっかの議員さんらしい。

「誰やねん! そんなん知らんがな。」
と心の中で思っている私。

場面が変わって
どこか外国のような街の
人気の無い広い道を
妻を含めた数人を引き連れて歩いている。

前方に、押し売りかゆすりたかりでもしそうな異邦人がふたり。

もし絡んできたら、
「普段おとなしくしているウサばらしに
こいつら、どつきまわしたろ。」
などと物騒なことを思い浮かべている私。

何も声もかけられることなく通り過ぎてしばらく行くと
後ろのほうで妻が、警官らしき男に
「あのふたりに襲われて、投げ飛ばされそうになった。」
などと訴えている。

見ると、妻の首の付け根の左寄り
鎖骨のあたりに、こすれたような
赤い擦り傷があって
なんとなんと
妻らしき女も警官らしき男も外国人だった。

「そう、これは投げ飛ばされそうになったときについた傷に間違いない。」
と言いながら、投げるような仕草を繰り返す警官らしき男。

「なんやねん、こいつら」
と訳が分からなくなりながら

心のどこかで
「あのふたりの異邦人がナイフを隠し持っていたのでは?」
とビクビク恐れ慄いたり
「外国人の嫁さんとセックスした記憶がないのが、残念で悔しいなあ。」
と浅ましい思いを抱きはじめたところで
夢からさめた。

現実の世界では
妻を引き連れて歩くことはなく
妻と一緒に歩くときは
歩くのがおそい妻を前にして
その後を私が歩いている。